2005年3月3日参議院予算委員会質疑   

ヤルキダくん日記

○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。柳田稔君。
○柳田稔君 御苦労さまです。民主党の柳田稔でございます。
 御答弁の方は御丁寧によろしくお願い申し上げます。
 今日は、総理が参議院の本会議場でも大きな声で、年金始め社会保障の議論に民主党さんも加われ、加われと大きな声を上げていましたんで、そのことについていろいろ触れたいと思います。
 その前に、今ニュースが入りまして、堤コクド前会長が逮捕されたというニュースが今入りました。
 そこで、申し訳ないんですが、法務大臣、事の経緯とそれと容疑ですね、お分かりになればここで教えていただきたいんですけれども。
○国務大臣(南野知惠子君) お尋ねでございますが、個別の事件についてのお尋ねでございますので、ここでお答えは差し控えさせていただきます。
○柳田稔君 まあいずれにしてもコクド堤前会長が逮捕されたそうです。
 総理の所属しております、今で言うと森派閥ですかね、前は小泉派閥と言われていましたけれども、過去から大変縁の深い方でございました。この報道を聞かれて総理は今どういうお考えをお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 個別の事件でありますので差し控えますが、堤氏とは以前から親しくお付き合いをしております。
○柳田稔君 多分、裏方からニュースは伝わっていたと思ったんですが、今初めて聞かれたようで。
 では、本来の質問の方に移ります。
 三党協議ございましたですね。我が党の岡田当時の幹事長、自民党も当時の幹事長、サインされました。総理が多分その了解を、総理の了解を得てサインしたと思うんですが、総理は三党合意にどういう思いでサインしていいと、進めろという指示をされたのか、まず冒頭お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これから社会保障制度全般を考える場合には、高齢者がどんどん増えていくし、それを支える少子化、若い世代が減っていく。しかしながら、だれが考えても年金や医療や介護や生活保護というのは大事なものであります。
 こういう問題について、政権が替わったたびにこの制度の根幹が大きく変わるというのは好ましくないと、どのような政党が政権を取っても、ああ、こういう年金制度なのかと、こういう医療制度か、介護制度かということはくるくる変わらないで、安定的に運営されるものだということで、国民も分かりやすい、給付が受けられる、負担をするというのが理解される。
 でありますので、この問題はむしろ政争の具にしないで、お互いが胸襟を開いて、政権交代があっても維持発展できるような安定的なものにしようということから考えますと、与党、野党で争わないで、お互い話し合いながらいいものをつくっていこうじゃないかという気持ちで、ああ、与党、野党、合意できるんならそれが好ましいということで、できればそういうふうな、そのような話合いはできないかということで合意に賛成いたしました。
○柳田稔君 その合意ができて衆議院に、衆議院で年金の法案が通りました。その後、参議院に法案が回ってまいりました。
 実は私、当時の民主党の厚生労働委員会の筆頭理事をしていましたもので、理事会の経緯、委員会の質疑、すべてしっかりとこの目と耳で承っておりました。今総理がおっしゃった三党合意、岡田当時の幹事長もサインしました。我々はそれを重く受け止めて、しっかりと審議をさしてもらいました。
 幾つか参議院の審議を通じて問題点も浮上してきました。特に最後、一番びっくりしたのが、年金の仕組みの最大の構造ですね、総理に質問したら、総理は分からなかった。あれはびっくりしましたね。マクロ経済スライドということを知らなかったので、いやいや、ちゃんと聞いていますから。議事録見れば分かりますから。その後、なぜか知りませんが強行採決されたんです、与党さんは。共産党さん、社民党さん、無所属の西川さん。西川さんは引退、最後の総理質問、(発言する者あり)西川きよしさんね。それを、質問の権利を奪って強行採決した。
 我々は、三党合意についてはいろんな意見はありました。しかしですよ、理事会で採決をするという話合いも一切ない中で、審議時間だけ決めて淡々と審議をこなしたと。途中で与党の諸君が強行採決、質疑打切り動議出して強行採決。
 私は、普通の世間常識から考えると、合意はしたものの、こんなむちゃなことをして済まなかったとまず我々にわびていただきたい。その上で、どうだろうかと、今言った、おっしゃった三党合意の趣旨があるんで、参議院の民主党の諸君も協力してくれと、そういうのが私は世間の常識だと思うんですけれども、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、質問者というのは、私、総理大臣出席するというのは限られております。定義を質問されたものですから、質問者というのは、知らないことを知っている人に聞くというのが普通だと思うんです。質問者よく知っていることなんです、マクロ経済スライドというのは。私以上に詳しいことを知っているはずです。
 ですから、そういう定義まで、私にどういう定義か正確にやれというのは、私は大体の骨格は分かっています、年金給付の問題で、いろんな物価スライド、賃金スライドあるけれども、給付者に対してそれほど下がられない制度を考えるというのがマクロ経済スライド、新しい制度を導入したわけです。そういう大ざっぱな答えよりも、定義が何かと言うから、質問者知っているはずなんです。だから、私が答えるよりも、専門家の方、聞いた方がいいでしょうといって言ったんです。
 総理大臣が出席しているのに、むしろ役所の人の方が分かりやすい答弁してくれるのに、私に聞く必要はないでしょうという意味を込めたのが、専門家に聞いてくださいというんです。総理大臣が出席するんだったら、政治家同士の考え方についてどうなのかという、そういう限られた時間で総理大臣に質問する事項と、あるだろうというのを込めて、私はあえて、知っている本人がなぜ聞くのかという意味もあったから、私はそういう答え方をしたわけです。
 国会の問題におきましては、採決の問題については円満にした方がいいのは分かっています。しかし、どうしても拒否するという形で、ああいう形になったのは残念でありますけれども、こういうことについては、お互いやっぱり円満に審議がされるようなことが望ましいということについては異議がありません。
○柳田稔君 マクロ経済スライドというのは、前回の年金改正の基本中の基本なんです。当然、当時は年金国会と言われましたから、その基本中の基本を総理は当然知っているだろうと。もしこれが崩れると、前回の年金改正は根底から崩れるんですからね。それほど重要な問題を総理も知らなかったのかというので、ただ我々はびっくりしただけでございます。
 ちなみに言っておきます。強行採決、まずいですよね、これは当然、三党合意した上で。やはり総理が本会議場で、民主党の諸君も協議に参加してくれと言うんだったら、あの強行採決はやっぱりまずかったと一言わびてもいいんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 強行採決といいますか、単独採決といいますか、まあ単独じゃないんですけれども、ああいう乱闘まがいの採決というのは好ましいことではありません。それはお互い、どちらが悪い、いいということよりも、やはり野党の皆さんも参加していただければ強行採決というのはないんですから、その点はよく、与野党よくこれからも協議していただきたいと思います。好ましいとは思っておりません。
○柳田稔君 冒頭申しましたように、私は現場の筆頭理事でしたし、委員会室でもずっと座っていました。委員会の成り行きというのはよく知っています。抜き打ちで、何の話もなしで強行で採決やったんですよ。そのときに、そのときにね、(発言する者あり)やじが飛びますから言いますけれども、あそこの周りにいたのは、参議院の厚労委以外に、委員の以外に自民党の諸君が圧倒的に多かったんですよ、参議院では。抜き打ちですから我々は分からないわけですよ。
 総理、これは我々も協議をしたいという思いはあるんです。ただ、その大前提がない限り、我々が気持ちよく、はい、そうですねとは言えないんじゃないですか。もう一回お願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) しかし、三党合意がなされて、衆議院を通過して参議院で審議されたと。委員会の運営のことについては私は定かには承知しておりませんが、私としては委員会の運営に従うということでございます。できれば、あのような乱闘まがいの状況じゃなくて、静かに穏やかに採決されるのが望ましいということは私もかねがね思っております。
○柳田稔君 評価を聞いているんじゃないんです、評論を。総理は与党の最高責任者なんですよね。与党の最高責任者ですよね、議院内閣制ですからね、議院内閣制ですから。そのだれかが指示したわけでしょう、与党のだれかが。その責任者である、最高の責任者は総理じゃないですか、与党の。その立場で何か一言言ってください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、国会の運営は私は任せておりますし、責任者に、それぞれの理事が与野党から出ております。その中で決めていただければそれに従うわけではございます。
○柳田稔君 これ以上やっていると話が進みませんので。国民の皆様はしっかり聞いてくれていますから、国民の皆様が判断してくれることだろうと思います。
 で、衆議院のいろいろ質疑を聞いていたりしていますと、衆議院の厚生労働委員会の中に小委員会を作って議論をするというお話がだんだん進んでいるように聞いておりますが、この小委員会では何を議論するんですかね。年金だけなんでしょうか。それとも社会保障全般なんでしょうか。総理はどういうふうな思いで期待されていますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、年金問題も含めて社会保障全般の意見が協議されることを期待しております。
○柳田稔君 年金含めて社会保障全般といいますと、実は総務省さんも関係してくるんですね、共済年金がありますから。ほかの省庁に波及するんです、いろんな社会保障のことを議論していきますと。
 とすると、ある委員会の小委員会にこのことが聞きたいとなったときに、例えば、じゃ、申し訳ないけれども総務大臣出席してくれと、厚生労働委員会の小委員会の中にですよ、出てくれと、我々が要求したら、総理は気持ちよく、大臣、出ていって答弁してこいと言ってくれるんですかね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会の運営はそれぞれ委員会が決めることであります。国会の運営に口出すなとよく私は注意されますが、私は、この与野党の協議、衆参一体だと思っています。衆議院の意見と参議院の意見、そういうものをなくすために、与野党の幹部が出席して、幹部が話し合って進めるのがいいじゃないかと思って、与野党協議を進めているという理由も承知しております。衆参一体で議論しないと、この社会保障の問題というのはなかなかいい結論が出ないんじゃないでしょうか。それは、議論するのは私は拒むものではございません。衆参別々ということには、この社会保障制度、年金を含んだ問題にはならないと思います。与野党が、衆参協力して、各政党が協力して一つの結論を出すということが私は望ましいと思っております。
○柳田稔君 今、僕質問したのは、そういう小委員会ができたと仮定して、いや、これはやはり総務省の所管に当たるから総務大臣出てきてくださいよと言ったときに、総理は後押ししてくれませんかと。なぜなら、参議院の本会議場で我々に向かって言ったんですからね、野党の諸君、民主党の諸君も協議に応じてやってくれとおっしゃったんだから。当然総理としては、内閣のトップですよね、まあそういう質問があるんなら大臣行ってちょっと答弁してこいやと言うぐらいバックアップしてくれませんかと聞いているんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、各委員会共通しておりますが、委員会の運営は委員会で決めることであります。それには従います。
○柳田稔君 まあ、これが順調に進んで社会保障全般に対する結論が出たとしますね、結論が。その結論に対して総理はどういう対応されますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 結論出れば、それに従って法案化作業するのが政府の役割だと思っております。
○柳田稔君 総理が今おっしゃってくれましたんで、答えが出たら、その小委員会の答えに従うとおっしゃってくれたんで。本当にそんなことができるかなと実は私は思っています。
 そこで、なぜそういうことを思っているかというと、財務大臣が多分説明してくれると思うんで。財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会、この資料を見ました。皆さんのお手元にお配りしておりますけれども、二〇〇四年度と十年先の一四年度、試算がされています。内容を説明していただけましょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員から資料を配っていただいておりますが、この御指摘の試算は、財政制度等審議会で建議案を、昨年の建議案を作っていただきますときに、審議の参考としてその審議会の起草検討委員から提出されたものでございまして、高齢化が進展していけば社会保障に係る費用が大きく伸びていくと、そういう見込まれる状況を踏まえて十年後の一般会計の姿を、まあこれは一定の前提があるわけですが、それを一定の前提を置いて機械的に算出したものと聞いております。
 そこで、この試算では、現在の財政構造を前提として何らの改善策を講じないでそのままにした場合、国の一般会計が、二〇〇四年度、平成十六年度の当初予算の姿が、ここに書いていただいておりますが、それをベースラインとして試算結果を出しております。
 これによりますと、一般会計歳出については、ちょっと社会保障関係費、黒くて見にくくなっておりますが、これが十九・八兆円であります。それで、二〇一四年、そのまま機械的に計算をいたしますと、それが三十二・六兆になるわけであります。それから国債費は、平成十六年で十七・六兆でございますが、十年後では三十五・二兆に大きく膨らむということでございます。したがって、歳出総額は八十二・一兆から百十九・四兆円になっていくと。
 一方、それに対応する歳入については、この資料には、委員から出していただいた資料には書いてございませんが、税収等は四十五・五兆円から今のままで行けば五十六・四兆であろうと。それから、公債収入は三十六・六兆から六十二・九兆になっていくだろうと。
 したがって、この結果、二〇一四年度時点の一般会計のいわゆるプライマリーバランス、基礎的財政収支の赤字額は、二〇〇四年度時点、平成十六年度時点では約十九兆でございますけれども、二十七・八兆へと拡大するという試算結果を出しているわけです。
 こういう試算を前提に、仮に歳出削減だけで二〇一四年度に一般会計の基礎的財政収支をバランスを取っていくようにしようとしますと、十年後の国債費を除く歳出規模をベースライン、つまり平成二十六年度に比べて約三分の二に圧縮しないとうまくいかないと。つまり、八十四・二兆のところを五十六・四兆ぐらいに圧縮する必要があるだろうと。
 他方、仮に増収だけで実現する場合には、十年後の公債金収入を除く歳入はベースラインに比べて約五割増加している必要があると。つまり、五十六・四兆から八十四・二兆に増加している必要があるというような試算を出していただいております。
 それで、以上のようなこの試算結果は、結局、財政の危機的な状況を何とか克服して国債の、国債の市場からの信認をやっぱり維持していくというためにも、着実な経済成長と、それから適切な財政構造改革というもの両方がなければうまくいかないというのを私は示しているんじゃないかと思います。
 それで、先般閣議決定されました「改革と展望」、この二〇〇四年の改訂版がございますけれども、そこにもいろいろ方針を出していただいているわけですが、その方針に沿った経済財政運営を精力的に進める必要があるのではないかと思っております。
 そういうようなことで御説明に代えさせていただきます。
○柳田稔君 もう一つ聞かせてください。
 借金ですね、本年度末の国の借金、地方を合わせた場合の借金、十年先の国の借金、もし分かれば、地方も合わせたときの借金は幾らぐらいになっているか、お願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 地方については麻生大臣の御所管でございますが、便宜、私の方から申し上げたいと思います。
 お尋ねの二〇〇四年度、平成十六年度の末ですね、年度末、この三月末でございますが、国と地方の長期債務残高は七百四十兆というふうに見込まれております。ただ、そして平成十年度末の見通しは七百七十四兆というふうになっております。
 それで……
○柳田稔君 七百七十四兆は国だけですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、平成十七年度末、七百七十四兆、これは国と地方の両方です。両方で七百七十四兆でございます。
 それで、今、平成十六年度末の国と地方の長期債務残高が七百四十兆と申し上げましたが、その内訳を申しますと、国が五百七十兆、それから地方が二百三兆。ただ、国と地方で重なっている部分がございますので、重複分がマイナス三十三兆、合計が七百四十兆になるわけでございます。
 ちなみに、平成十七年度末を申し上げますと、先ほど申し上げたように、トータルで七百四十四兆、うち国が六百二兆、それから地方が二百五兆、それに重複分がマイナスすること三十四兆という姿になっているわけでございます。
 それから、平成二十六年度、十年後ですね、二〇一四年度末の国と地方の長期債務残高がどうなっているかということですが、財務省としては、普通国債残高についてはいわゆる資金繰り表というのを作りまして、そこで試算をしておりますが、地方の債務残高については、これはそういう試算がしていないというふうに承知をしております。
 そこで、財務省の資金繰り表でありますが、これは将来における国債の償還財源の見通しを立てるために、これも国債の発行条件等に関する一定の仮定を置いて国債整理基金の資金繰り状況を試算したものでございますが、この試算結果では、二〇一四年度、つまり平成二十六年度末の普通国債残高は八百十二兆というふうになっております。
 ただ、念のために申し添えますと、こういう試算結果は、国債発行額や公債残高等の将来像とか見通しを必ずしも示したものではありません。一定の前提を置いて、そのままでいくとこうなるぞということを言っているわけでありまして、実際の国債発行額等については、それは時々の経済社会情勢を踏まえて毎年度の予算編成で決めていくということでございます。
○柳田稔君 将来の数字は推定ですから、それをどうのこうの言うつもりはありませんが……
○国務大臣(谷垣禎一君) 済みません、一つ言い間違えましたが、十七年度末の七百七十四兆と、私、七百四十四兆と言い間違えたようでございます。七百七十四兆でございます。済みません。
○柳田稔君 要は、何を言いたいかというと、二〇〇四年度で社会保障費と国債費合わせますと全予算の四五・六%なんですね。ところが十年先、二〇一四年になりますと、これが五六・九、五七%を占めるんです。社会保障、国債費、まあ国債費はこれはまけてくれとは言えませんからそうはいじれない。社会保障も本当に難しい。これはもう総理も実感されたと思う。とすると、ほかの役所の予算ですね。ここに大臣、皆さん並んでいますが、べらぼうに減ることになりますね。さっき財務大臣がおっしゃったように、最低でも三分の一減らさないと、社会保障と国債に手を付けないとなると、皆さんの省庁の役所は最低でも三分の一以上減らさないといけない。大ごとですね、これは。と同時に、借金は、多分地方を合わすと十年先には一千兆円ぐらいになるのかなと、そんな感じがします。
 そんな話聞かれて、総理、どういう感想をお持ちですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 御指摘のとおり、国債依存率が五割を超えるというような状況になったら、これは正に財政破綻、これは避けなきゃいかぬと。そういうことから今歳出改革を進めておりまして、できるだけ国債発行、国債増発を抑制していかなきゃならない。同時に、行財政改革を進めて、できるだけ民間にできることは民間に譲っていこう、小さな政府を目指していこうということから、歳出に切り込んでいかなきゃならないと。これはもう不断の努力をしていかなきゃならないと思っております。
○柳田稔君 で、社会保障の話ですから、じゃ今後社会保障について、今財務省の立場から試算してもらいましたけれども、今度厚労省の立場からどういう推移をたどるのか御説明願えますか。時間がちょっとあれなんで、よろしくお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお話は、急いだ方がいいということでございましょうか。
 まず、今日お出しいただきました資料でございますが、一ページ目と二ページ目にございます。一ページ目と二ページ目の数字が社会保障費に関して若干違いますけれども、これは私どもが出しております、推計いたしました二ページ目の方は、地方分が入っておるというふうに御理解をください。したがいまして、今から御説明申し上げますのは、地方分が入った数字で私どもは推計いたしておりますから、そういう数字だと御理解いただきますようにお願いをいたします。
 そこで、今日お出しいただきました資料でありますけれども、これは私どもが昨年の五月に推計して出させていただいた数字であります。二〇〇四年、昨年と、二〇一五年、それから二〇二五年の社会保障の給付と負担の見通しがどうなるかということで出したものでございます。そのまず一番基礎の数字として国民所得比を出しまして、その国民所得比を、分母にしてどのぐらいの割合になるかということでずっと変化をお示しをいたしております。
 まず、その国民所得比、どういう計算したかといいますと、いろんな前提の数字入れて計算したわけでありますが、それはもう省かせていただいて、答えだけ言います。二〇〇四年三百六十六兆円、二〇一五年四百四十八兆円、二〇二五年五百二十五兆円の国民所得になると、こういうことであります。
 その国民所得に対して社会保障の給付がまずどうなるかということを全体で申し上げますと、まず二〇〇四年は二三・五%、二〇一五年は二七%、二〇二五年は二九%になる、こういうことであります。ちょっと内訳を見ますと、年金の方は一二・五%、一三%、一二%と変化をしますから、ほとんど年金は変化をせずであります。将来ともに変化をせず。これは一つは、今話題にされましたマクロ経済スライドなどを前提にしておりますためにこういうことになります。
 もう一つ、福祉その他と、こう書いてございますが、これは雇用保険だとか生活保護だとか少子化だとか障害者の福祉だとか、そうしたものが全部入っているわけでありますが、一番主なものが介護でございまして、介護の変化を見ていきますと、一・五%、二・五%、三・五%と、かなりこれは伸びていくわけであります。
 そして、一番大きく伸びると見込まれるのが医療でございまして七兆円、失礼しました、七%、九%、一一%と伸びていきまして、二〇二五年には五十九兆円の医療費の給付が見込まれる、こういうふうに見ております。特に、この医療費の中で大きな部分を占めるのが高齢者の医療費でございまして、二〇〇四年は、今高齢者医療費が三分の一ですけれども、二〇二五年にはこれが二分の一になるだろうと、こういうふうに推計をいたしておるところでございます。それが給付の方です。
 それに対して、負担をどうするかということでございますが、公費負担、すなわち税金がどうなるかということが、七%、九・五%、一一・五%。この税金の計算の方はもう今の制度そのまま当てはめて計算しておりますから、給付が出てくると年金は、基礎年金はその二分の一、あるいは医療、国保は、医療の中の高齢者医療費なんというのは二分の一国が持つことになっていますから、給付が出てきてその二分の一をここに当てはめて数字を出していると、こういうことであります。そして、あとは保険料を計算をいたしますと、一四%、一七%、一八%ということでございます。
 この中に出てまいりませんのが、実は年金の積立金が一つございます。ただ、年金の積立金は、昨年改正さしていただいたやり方でいきますと、今後九十五年間にわたって取り崩していってそれを使わしていただくということにしてございますが、年金の勘定が一番苦しくなるのは二〇五〇年ぐらいだというふうに見ておりまして、このころが一番苦しい。したがって、二〇五〇年ぐらいにこの積立金をできるだけ使わしていただく、そのためには当分、余り年金の積立金使わない計算をいたしておりますから、そうこの計算の中には出ないと思っていただいていいのではないかというふうに思います。
 ざっと御説明申し上げますと、そういうことでございます。
○柳田稔君 大変ですね。お話を聞けば聞くほど大変。
 で、この社会保障の費用を総理は小委員会で議論してくれ、答えが出たら従うっておっしゃってくれた。今、この社会保障だけのお話を聞いて、御感想はどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 社会保障については、皆さん、給付を厚くしてくれ、負担は少なくしてくれというのは、思いは当然だと思っておりますが、それは、それじゃだれが負担をするのだというところになると、おれの負担だけは軽くしてくれという気持ちが多いから難しいんですね。
 社会保障、これ黙っていても高齢者はどんどん増えていきます。給付を受ける人がどんどん増えるわけです。恐らく、今もう年金についてはこれからの将来を考えますと、五十歳以上の人がもう五割を超えたんじゃないですか、五〇%を。負担する人、少子化傾向。これよく専門家の話を聞きますと、五十歳以上の人が国民の五割を超えると社会保障制度改革は実に困難だと。それは、給付を下げるということに対する反対者が多くなるからであります。給付を上げろという声の方が選挙になっても投票へ行きますから。
 そういうことを考えると実に困難だ。だからこそ、これは余り政争の具にしないで与野党協議して、給付を維持するためには負担する立場のことを考えてくれと、今有権者になっていない人のことも考えないと社会保障制度は維持できないんですから、そういうことを考えて、お互い与野党が責任を持ってこの社会保障制度の問題、真剣に協議して、いい結論を得るような形でまとめていきたいと思っております。
○柳田稔君 午前中の時間が五十四分までですから、それまでにはどうにか一段落付けたいと思うんですが。
 総理ね、今財務大臣、厚生労働大臣、お話をしていただきました。説明をしていただきました。これから最大のテーマは社会保障だと、私はそう認識しているんです。
 で、この社会保障の議論をして答えを出すためには大変な作業が要るんですね、これ。厚生労働大臣だけでは足りないし、いろんな役所の大臣にも来ていただいて話を聞いたりしていかなきゃならない。で、努力をして答えが出た。これは、先ほど財務大臣でもお話があったように、ほかの役所にもどんどん影響してくるんですよ、実は。
 例えば、再来年、医療やりますね、予定では再来年。ということは、総理の任期中に医療の計画を作るわけですね。大変な作業ですね、これも。総理は二回失敗したんですから。厚生大臣のときに失敗し、何年前でしたか、総理大臣のときに失敗し、しようがないから再来年やるというふうになったんですけどもね、抜本改革は。難しい作業がある。しかし、一番の問題は、少子高齢社会で、人の数は変えられないんです、これ。これだけはどうしてもいじれない。
 何を言いたいか。社会保障だけの問題ではとどまらなくなるんです、この話は。必ずほかの役所の問題にも踏み込まないといけないんです、結論を出すためには。国土交通省さん、あんたの予算はこれだけだけど、済まぬけれども一割カットしてくれ、二割カットしてくれ、財務大臣のお言葉をかりれば四〇%カットしてくれと、三分の一っておっしゃった、仮定でしたけどね。そういう話もせざるを得なくなる。
 これはだれが一体やるべきことでしょうか。時の政権がやるべきことではないんでしょうか、これは。社会保障だけの議論をして済むって話じゃないというのはよく分かったわけです。答えを出すということは、政権を取っている人たちが、国民の信任を得て政権取っているわけですから、その人たちがすべての政策に対して責任を持ってやるわけですよね。私は、この社会保障というのはそれほど大きな議論をして責任を持ってやらなきゃならない。簡単な話ではないと思うんです。もし総理ができないんだったら、我々民主党に頼むんだったら、政権を降りられて、一回ね、我々がやってあげますよ、それは。で、もし国民が不支持だったら、また自民党さんが政権取ってやればいいじゃないですか。
 ただ、言っときますよ。基本の仕組みは変わるわけではないんです、これは。なぜなら、自民党政権が倒れて細川政権ができて、羽田政権ができたときにも我々は年金の大改正をやったんです。仕組みは変わっていません。その基本が変わるわけはないんです、政権が替わっても。
 もう一回言います。この議論するのは、政権全般にかかわることになるから、一回下野されて我々に政権回す、それぐらいのことだと私は思っているんですよ、実はね。どうですか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民主党がいつ政権取るか、これは私は予測できませんけども、この問題は与野党が議論して共通の結論を出した方がいいということは、各役所にも関連しますし、だからこそ与野党の協議を我々は呼び掛けているわけであります。
 で、社会保障だけの問題ではございません。税の問題も絡んでくるわけです。行政改革、財政改革の問題にも絡んでくるわけです。だから、与野党合意を我々は呼び掛けているのはなぜかと。幹部が入んないと駄目です。幹部、各政党、今政党政治ですから、各幹部が入って、政策責任者が入って、そして全般の政策を眺めながら協議して合意をまとめていった方がいいから私は政党協議を民主党にはもう呼び掛けているんです。そこの辺を御理解いただきたいと思います。
○柳田稔君 総理ね、もしこれやるんだったらね、連立政権を組もうよっていう話ですよ、これ。連立政権を組んで、こんな大きな仕事だからやろうよとね。私はそれほど大きな仕事だと思いますよ、これ。その認識は多分総理もおありですよね。大変な作業だと、これはね。
 で、今度は、今総理が触れてくれましたように、税制まで影響しますよ、税金まで。小委員会が税金を決めていいんですか、これだけ財源が必要だから消費税を何%ぐらいしたい。さっき総理は、決めたら従うとおっしゃってくれましたけどね、いいんですか、そんなことして。財源が足りないから、もう所得税もそう伸ばせないから、これはしようがない、消費税を五%上げましょうと小委員会が決めたら、小泉政府というのは、与党というのは従ってくれるんですか、それでも。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 小委員会が決めようと思えば与党だけで決めることも可能であります。それをしたくないから野党にも協力を呼び掛けているんです。
○柳田稔君 だから言ったんです。もう政権与党の責任の大半をすることになりますよとね。徴税のことまで我々が考える、ほかの役所の分配まである程度考えないとできない。ほとんどこれ、政権与党のやることじゃないですか。
 それもですよ、もう一つ、来年度予算のことだけじゃなくて将来のことまで決めるということなんですよ、これ。今厚生労働大臣が言ってくれたように、これは二十五年先まで出ていますね、ペーパーに。五十年先が一番厳しいとおっしゃる。五十年先まで決める、これは与党の責任じゃないですかね。私はそう思うんだけど、いかがでしょう、それが政権を担っている与党の国民に対する責任じゃないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 議論しているうちに野党がいろいろ意見を出しています。いいところは取り入れていきましょうというのが与党・政府の立場でございます。
 だから、与党だけで決めて、それで野党が政権を取った場合にこれまた全く変わってしまうということよりも、この社会保障制度の基本の点で合意ができるところは合意した方がいいじゃないんでしょうかと、そのためには話合いが必要じゃないですか、同じテーブルに着いてどういう意見がいいかということを胸襟を開いて話し合った方がいいじゃないかということを私は申し上げているわけでございます。
○柳田稔君 午前の部はこの辺で終わりますけれども、午後もう一回、もう一回だけ聞かせてください。よろしくお願いします。
○委員長(中曽根弘文君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。

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